ダメなのは知ってるけど

ささくれ千切っちゃったりする

百均のゴーグル

そういえば欲しがっていたなと、思い出して手に取る。百円均一の品とはいえ一目で違いはわからない。どうせ100円、なんとなくカゴに放り込んでいた。

仕事の帰りにヒャッキンに寄る。必要な物を確保すると、ウロウロと店内を見回る。これが面白い。意外な物やアイデア商品、食品から工具まで多種多様。百円という値段は魅力であり落とし穴でもある。ついつい余計な物までかごに入れてしまう、どうせ、百円だ。そう、使えなくても別に良いのだ。どうせ、の品だ。歩き回っていると季節の特設コーナーにて見つけたのが水中ゴーグルだ。こんなものまであるのかと思う。先日イオンにあったものと変わらないように見えるが、どうせ、色々なところがよくないのだろう。イオンに売っていたのは確か1800円ほどであったはずだ。

 

そのイオンには小学校で必要になった品を購入するため来た。水泳の授業が始まる為、配布されたプリントにこれから必要な物が書かれてある。パンツに帽子、輪になってゴムが通してあるタオル。それらを入れる防水のバッグ。必要な物はそれだけだ。同じコーナーに水中ゴーグルも置いてあったが、必須ではないとプリントには記載されている。買っても買わなくてもどちらでもよいと言うことらしい。値札をみると、それほど高額でないはいえ、必要な品のどれよりも値が張った。いずれ必要になったとき買えばよいと考え、カゴには入れずにレジへと向かった。

 

一週間ほどして体育でプールの授業が行われた。

その日の夜、クラスのほとんどが水中ゴーグルを持ってきていたと、小学1年生の彼は私の顔を見ずに話した。

 

ヒャッキンからの帰宅し数点の購入品が入ったビニール袋をダイニングテーブルに置き、スラックスをジャージに履き替える為に二階の自室へ入った。

タタタと階段を駆ける音、ノックされることなく乱暴に開かれるドア。感謝の意を早口で捲くし立てる。ビニール袋を勝手に漁ったらしい。彼は握り締めた物の着用をせがんできたので、袋を破り、ゴムひものサイズを調節してやる。調節をしながら、ああ、この辺が100円だなと思った。材質と仕上げがわかりやすく悪い。何度かゴムを引っ張りながらつけてやると、飛び跳ねながら部屋を出て行った。夜、風呂に入るときも着けて来た。明日は水泳の授業がある。

 

少ししか泳げなかったのが、着けると、もうちょっとだけ遠くまで泳げるようになる。その日の入浴時にも手に持って現れ、撫で回しながら語る。 

 

プールで使用し、家では毎日湯につけているから、ゴムが白く劣化して伸びてきている。ひと夏持たないだろう。だからといって、またヒャッキンに足を向ける気にはならない。ゴーグルはスポーツショップで購入することになるだろう。彼はそれを別に気にしないだろうけど。

 

 

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