ダメなのは知ってるけど

ささくれ千切っちゃったりする

だいじなお家

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とあるばしょに とある村が あった。

その村では みんなが いっしょに おおきなおウチ にすんでいた。

おウチは ごせんぞ様が つくったもので 古かった。

でも ちゃんと 雨をふせぐ おヤネがあって 風をふせぐ ヘイもあって

みんなが ごろごろできる ユカもあった。

ふるくなって よくないところもあるけど みんな きにせずに くらしていた。

 

ある日 村に 男が やってきた。

「やあやあ皆様方、立派な住まいですなあ。しかしながら、よく見ると屋根に穴が開いているようです」

男の 言っていることは そのとおりで さいきんは 雨がふると つかえなくなる おへやがあった。

ぼくらも そろそろ あなをふさごうと おもっていたと 男につたえた。 

「そりゃあいけない。お家は一番大事なものなのです。あなた達が安心して暮らしていけるのも、お家がしっかりしているからでしょう?お家が無くなったら、どうします?もっとお家のことを真剣に考えてください。のんびりしていないで!すぐに!さあ!」

男のいうことは いちいちもっともで ぼくらは 男のいうとおり おウチを きれいになおすことにした。

男は 村に いっしょにすんで おウチをどうするかを ぼくらにつたえるようになった。

男の言うように おウチをなおしていくと くらしていくのに とってもぐあいがよくなった。

おヤネの穴は きれいにふさいだ 雨がふっても だいじょうぶ

かいだんも おおきくした いっぺんにとおっても だいじょうぶ

つぎは ユカを ふかふかに しなくちゃいけない 

おウチを なおすのに いそがしくも なったけど どんどん きれいに べんりがよくなる おウチに きぶんもよかった。

「次は塀を強くしましょう!大丈夫だって?いやいや、もっと強い風が吹いたらどうしますか?お家が倒れてしまいます。もっと強くしましょう」

ヘイも 前より ずっと つよいものになった。きっと あらしがきても だいじょうぶ。

男のいうとおりにすると とてもべんりになるので 男とおなじように おウチがいちばんたいせつだ と おもうものが ふえていった。その人たちは 男と いつもいっしょにいるようになった。

おウチの まんなかのおへやで 男となかまたちは いつもいっしょに おはなしをしている。

 

ある日、男が みんなに おウチの そとに出るように言った。

「さあ、隣のお家をみて御覧なさい」

となり村も おおきいおウチに みんなで すんでいる。

この村よりも おおきく きれいな おウチだった。

きらきらとひかるかざりや どうぶつの絵 などで おウチを きれいにかざっていた。

「どうです!見事でしょう!なんと重厚かつ壮麗な豪邸!我々のお家も負けては居られません!そこで、我々のお家を輝く金色へ塗り上げようではありませんか!」

つぎつぎに さんせいのこえを あげる 男のなかまたち。

ぼくたちのなかには はんたいするものもいた。

おウチを ぴかぴかにしても しかたがないよ べんりにもならない もっといそがしくなるだけだよ って

「お隣が羨ましくありませんか?あのような豪華な邸宅を前に、このような家で良いのですか?金色の住宅であれば、逆にお隣が、我々のお家を羨み褒め称えるでしょう。それはとても誇らしいことですよ」

男にいわれて おウチをみると だいすきだった ぼくたちのおウチが すこしちいさく すすけてみえた。そして となりのきれいなおウチが もっときれいにみえた。

ぼくらは おうちを きんぴかに ぬりはじめた。まえより もっと もっと もっと いそがしくなった。 ぼくらは すこし つかれてしまったけど どんどん ぴかぴか きれいになるおウチをみると がんばることができた。きれいなおウチは ぼくたちのじまんになった。 

 

あるひ にしの空が まっくろの もくもくに おおわれた。

あらしだ!あらしだ! すぐに 大雨と つよいつよい風が くる。 

つよいおウチに しておいてよかった ヘイもヤネもつよい ぼくたちのおウチのなかにいれば だいじょうぶ。おウチがぼくたちをまもってくれる。

ぼくたちは おウチの中に かけこんだ。

「何をしているんだ!貴様達!」

とってもこわい おおきいこえで 男のなかまたちが さけんだ。

あらしだよ あらしが きたんだよ おウチにいれば だいじょうぶ。

「とっとと外にでて嵐から、我らがお家を守らぬか!」

でも お外に居たら 雨で ぬれてしまうよ きっと さむくて びょうきになってしまうよ。 それに 風も とってもつよいから 小石や木の枝が とんできて けがをしてしまうよ。

すると 男が みんなの前にすすんできて ゆっくりと はなしはじめた。

「皆さん。よく考えてください。嵐でお家が駄目になってしまったら、皆の住む所がなくなってしまいます。皆が住む皆の家です。安心して暮らせるお家を守らないといけない。いったい自分とお家どちらが大事だと思っているのですか?お家が無くなったら皆が終わりです。何人か駄目になってもお家があれば、お家さえあれば!それにせっかくの金色の装飾が汚れてしまう。それは我らが威信にかけて阻止せねばならん。あなた達の我儘でお家が駄目になることなど到底許されることではありませんよ」

そうなのかもしれない みんなのために だいじなおウチを まもらなくちゃ

ぼくたちは 男とそのなかまたちを おウチのまんなかに のこして 外にでた。

大雨に からだを ぬらしながら ふきつけるかぜに たえながら とんできた小石にも めげずに ひっしに おウチの前に立ち あらしから おウチをまもった。

 

しばらくして あらしは さっていった。

ぼくたちは すりきずでぼろぼろになった ぬれてさむくなった からだで ぼんやりと おウチをみあげた。

ぼくたちのだいじなおウチは、りっぱで ぴかぴかだった。

それをみて ぼくたちは なんだか なんだか ほんとうに ほんとうに 

つかれはててしまった。

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